なぜ「よろしいでしょうか」は「よろし『かった』でしょうか」になるのか
「こちらお箸は一膳でよろしかったでしょうか?」
「ご注文以上でよろしかったでしょうか?」
「お探しの商品こちらでよろしかったでしょうか?」
お店で買い物をしたり、ファミリーレストランで食事をとったりすると、このテの謎の過去形は非常によく耳にします。「~のほう」や「○○円からお預かりします」などとひとまとめで「バイト敬語」なんていう言い方もあるみたいですね。
言うまでもないことですが、この謎の過去形が文法的に正しい用法となるのは「一度聞いたことをもう一度確認する場合」だけです。お箸の場合だったら「つけるかどうかは聞いたのだが忘れてしまったときにもう一度聞く」という場合ですね。ですから最初の質問で過去形が使われる理由は特にないわけです。
この謎の過去形、一体どういう仕組みで現れているのでしょうか。ちょっと考察してみましょう。
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