5-HTPというサプリメントがなんかスゴい件
皆様ご無沙汰しております。
前回の更新からけっこう日数経ってますね。この間ぼくにはチェルノブイルツアーという一大イベントがあったのですが、そっちはあまりにも壮大すぎてまとめるのが大変なので、冬季休業中に整理したいと考えています。お楽しみに。
さて、元々ものぐさだということもあるのは確かなのですが、ここ最近は記事になるネタこそあれ、それを実際に作ろうという意欲がかなり薄れてしまっていました。というのも、ぼくが記事を書くときは弱者としてのルサンチマンが原動力になっていることが多いのですが、それがここ最近きれいさっぱり(というほどではないけど)消えてしまったからです。
その要因となっているのが、今日の記事のタイトルにもなっている5-HTPというサプリメントですね。
この5-HTPですが、簡単に言うとプロテインみたいなものです。暗い気分とか神経症とか、そういったものへの対症療法では、セロトニンという脳内物質の濃度を上げることで対処する場合が多いのですが、このセロトニンに最も近い化学物質が5-HTPで、いわば「セロトニンの原材料」というわけです。筋肉増強したいときにプロテイン飲むのと似てるでしょう?
ちなみに一般的な抗うつ剤(SSRI、選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の場合はさらに強力で、放出されたあと通常は回収されてしまうセロトニンのシステムに作用して、回収の働きを阻害することで脳内のセロトニン濃度を高める、という方法をとっているようです。脳に作用して阻害、なんて言われると危険な感じもしますけど、よくよく考えてみれば抗アレルギー剤なんかも仕組みは似ているんですよね。花粉症の人がよく飲んだり処方されたりする抗ヒスタミン剤も、ヒスタミンの作用を阻害するような働きのものが多いんです。
さて、理屈はこのくらいにしておくとして、実際飲んでみてどうだったのか。
結論から言うと「まさかここまで効くとは思わなかった」といった感じです。
ぼくは元々非常に神経質で、考えすぎで、真面目なタイプ……だったと思います。先輩からも「お前って楽に生きるの苦手そうだよな」なんてよく言われていましたし。
今5-HTPを服用している状態から考えると、この服用前のぼくの状態というのは、ノイズ乗りまくりのラジオなんかが近かったと思います。一応番組っぽいものは聞こえてはいるんだけど、それ以外の雑音が大きすぎて全然ちゃんと聞こえていないような。服用後はそのノイズがぴたっと止み、音量は小さいけれど(ここが重要なのであとで解説します)番組ははっきりと聞こえているような、そんな状態です。
……これだとちょっとわかりづらいですかね。もう1つアナロジーを使ってみます。
誰しも自分の行動や思考に対して、「それは違うだろう」だとか「そんなことしてはいけない」みたいな、否定的なツッコミを入れるもうひとりの自分の存在を感じたことがあると思いますが、ぼくの場合このツッコミ役はとにかくやかましい存在でした。とにかくあらゆる可能性を提示してきて、「もしこういう可能性だったらどうするんだお前ヤバいぞお前やめとけお前」みたいな感じですね。
例えば「彼女がほしいな」と思えば「今のお前は彼女ができるほど魅力的じゃないしそもそもお前ほしいっつったって何もしてねーだろ」なんて言ってくるし、それではとばかりに行動してみようと思えば「いいのかお前そんなやり方で? 余計嫌われるかもしれんぞ? そうなったらお前もっと面倒なことになるんじゃないのか?」とか言ってくるし、「じゃあどうすりゃいいんだよ!」って言いたくなるんですけど、結局このツッコミ役も同じ自分なわけで、しかも実際面と向かって言われてるわけじゃないので、罵倒して絶縁するでも、ぶん殴って強制的に止められるでもない。厄介な存在ですよね。
こいつが5-HTPの服用後は非常におとなしくなりました。たまに騒ぎ始めても「まあまあ」って言うと(実際には言ってないですよ? 頭の中でです)すぐに引き下がってくれる感じです。
……なんとなく想像していただけたでしょうか。
その他ぼくに起きた具体的な変化をツリー型で書くとこんな感じになります。
・失敗に対する恐怖が減る
→他人に対する恐怖感がなくなる
→会話にも恐怖がなくなり、落ち着きが出て喋る量が増える
→知らない人に話しかけやすくなる
→今まで出来なかったことが出来ることで自信がつく
→自分のことがちょっと好きになってくる
→自分の失敗に対する自己嫌悪が減る
→自己嫌悪が減るので、その分自尊心が増える
→自分のことがちょっと好きになってくる
・心の許容量が上がり、他人に対する嫌悪感が減る
→嫌悪感からくるイラつきを我慢する必要がなくなる
→心が穏やかになる
→自他に対して優しい接し方が出来るようになる
・性欲が減る(重要、後述)
そう、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、これはぼくがずっと長いこと望んでいたけれど、さっき話した「ツッコミ役」のせいでどうしても実現できなかった「軽い生き方」をいつの間にか実現しているんですよね。
大半のことを「まあ、そんなもんか。しょうがないよね」で切って捨てるこの生き方は、一度体験すると想像以上に魅力にあふれていることがわかりました。
まず、何よりも第一に、ものすごくストレスフリー。「まあいいか」で物事を片付けられるようになると、何に対しても「苛立つ」ということが本当に少なくなります。完全になくなることはもちろんないけれど、たまにイラっときても数分、早ければ数秒でどうでもよくなっちゃうんですよね。冒頭で書いたように、ぼくのブログ更新が滞ったのにはこのことが大きく関わっているんですけども。
それから上にも書きましたが、失敗に対する恐怖が激減する、という特徴があるので、単に心が穏やかになるというだけではなく、ぼくのように考えすぎでなかなか行動ができない、頭でっかちの人はむしろアクティブになるのではないかと思います。言うまでもないですけど、そういう人が行動できないのは失敗に対する恐怖が非常に大きいことが1つの原因だからです。
そして実際アクションの数量が増えた結果わかったことは、「ツッコミ役」がやかましく騒ぎ立てていた失敗の可能性は、そのほとんどが起きないか、起きても大したことにはならない、ということです。
あ、今「そんなこと言ったって、頭で分かってても体が動かないんだよ!」って言いたくなった人、それとてもよくわかります。たぶんぼくも服用前だったらそう言ってたと思う。失敗の確率ではなく、失敗の可能性が存在することそのものが、行動に対するブレーキになってしまうんですよね。
5-HTPはこのブレーキそのものを緩める、あるいは外す効果があるんですね。その結果恐れていた失敗が起きる可能性は確かに増えますし、実際に失敗が起きることもあるでしょう。ただアクション数の増加はリワードの増加でもありますから、リワードとの差し引きを考えれば、大半の人はプラスのほうがずっと大きくなるはずです。
「した方がいいのは分かっている、でもどうしても体が動いてくれない」という経験、たぶんどなたにもありますよね。そういうときはどう考えたって失敗のリスクを取ってでも行動したほうがプラスになるに決まってるんです。それでも体は動かない。失敗が怖いから。ぼくはそれはしかたがないことだと思います。ただあなたがもし、そのことが嫌で、自分を変えたいと思うのなら、5-HTPは必ずその背中を押してくれるはずです。
さて、ここまでいかに5-HTPというサプリメントが素晴らしいか語ってきましたけども、ご存知の通り毒と薬とは常に表裏一体です。「人体に対して害を与えない程度の毒に『薬』という名前がついている」という考えでもいいくらい。ここでこのサプリメントの毒の部分を説明しておかなければ、バカバカしい通販番組の宣伝と大して変わらなくなってしまいますから、考えうるデメリットを嘘偽りなく書きます。このブログを読んで少しでも「5-HTP試してみようかな」と思ったならば、以下の内容は必ず目を通しておいてください。
デメリットその1:副作用
最もよく言われているのは吐き気です。これはぼく自身が一番体験した副作用でもあります。
ただしいつでも吐き気があるかというとそういうわけではなく、ぼくの体験では「空腹時に高容量(200mg以上)」服用すると、吐き気が強く現れました。今は食後に低容量(50mg)服用していますが、このやり方では吐き気は全く現れません。効果も十分に出ていますから、初めての方は必ず食後に、保険をかけて25mg(50mgのカプセルが一番少ない容量なので、これを開けて中身を半分にする)服用してみるのがいいと思います。もしこれで強い吐き気が現れるようでしたら、残念ですが5-HTPの服用は諦めたほうがいいでしょう。逆にもし全く効果が現れないようでしたら、25mgから徐々に容量を増やしていくといいと思います。効果が出たら、それ以上増やすのはやめましょう。ぼくは一応1回400mgまで服用したことがありますが、副作用が増えるだけなのでおすすめしません。
あとは集中力に若干の低下が見られ、眠気が喚起されるという副作用もあります。先ほどぼくの状態をラジオにたとえたとき、「音量は小さいが」という言い方をしましたが、これはこのことを指しています。ノイズは消えますが、その分メインの番組の音量も小さくなっているので、この部分がまあデメリットといえばデメリットと言えるでしょう。ただしぼくの場合はノイズが大きいほうがメインの番組に対する影響が大きいので、ここは人によると思います。
それから性欲の減衰も副作用として確認されているようです。ぼく自身はあまり実感がありませんが、確かに服用前よりやや減衰しているような気はしないでもないような……というくらいの感覚。この副作用は逆に早漏改善に使われているようなので一方的なデメリットとも言えないですが、性欲が減衰すると困る方は服用を控えてください。念のため。
デメリットその2:依存性
当然ですが5-HTPはドラッグの類ではないので、禁断症状などの身体的依存はありません。精神的依存は「今日は5-HTP飲んでないのか……不安だなあ」くらいのものはあるかもしれませんが、薬剤耐性も禁断症状もないので、特に心配する必要はないでしょう。
その他「金銭的な負担がかかる」や「購入時に時間を必要とする」などがデメリットとして挙げられるかもしれませんが、流石にバカバカしいのでやめます。
要は「よく効くものだから当然デメリットはあるけど飲み方と量間違えなければ問題ない」ということです。
さて、これから5-HTPを服用したことによって見えてきた「欲望と理性の新たな関係」とかいう小難しい話をしようとしたのですが、流石に長くなりすぎたので今回はここで一度切ります。
最後に今ぼくが服用している5-HTPと同じメーカーで低容量タイプのリンクを張っておきますので、興味があったら覗いてみてください(見るからに怪しげなサイトですが、ちゃんと買えますし届きます)。
http://jp.iherb.com/healthy-origins-5-htp-50-mg-60-veggie-caps/24291?rcode=cjv633