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雑考集

考える葦は腐りかけが一番美味しい




「相性」という痛み分け

雑考 ライフハック

 

人付き合いというのは難しいものです。初対面からものの数分で、まるで数年来の友人のように会話できるような人を見ると、どんなステータス割り振りをしたのか覗き見たくなる気分。

打ち解けの早さだけではありません。嫌いな人との付き合い、自分がどう思われているかが常に気になる癖、読みたくない空気を読ませられる状況――思い当たる節がある方もいらっしゃるかもしれません。

言うまでもありませんが、筆者はこれらが全て非常に苦手です。だからこそこうやってブログにしたりしているわけですが。かと言ってさすがに愚痴を書き連ねるだけではブログでやる意味がないですよね。今日扱いたいテーマ(というかシチュエーション)は「相手はそんなに悪くないのに自分がとても不快になってしまい、そのことが相手に伝わって謝ってきたような場合」です。これは非常に困ります。具体的なケースを見てみましょう。先日筆者が実際に体験したことです。

 

 

その日は午後に大学の後輩の公演があり、午前に予定が入っていたため当初行く予定はなかったものの、午前の予定が思ったより早く終わったので急遽行くことにしたのです。

講演が終わった後、とてもいい体験だったので興奮気味にその後輩に感想を伝えようと話しかけたところ、後輩は話し中で「すみません、今話している最中なので」と会話を断られてしまいました。たったそれだけのことですが、講演の興奮も感想を伝えようという気もそこですっと消えてしまい、なんだかとても悪いことをしてしまったような気がしたのです。

こうなると筆者はもう目も当てられません。幼少のときは人見知り、中学校以降はコミュ障で通してきた人生です。そのあとちゃんと後輩は話にきてくれたのですが、何を話したかもあまり覚えていません。先ほど書いた通り、会話に対するモチベーションが全て失われていた状態ですので、きっと毒にも薬にもならないようなことをいくらかつぶやくように言った程度だったでしょう。そしてその態度の意味するところが後輩にもしっかりと伝わってしまっていたということを、筆者はその後の後輩からの謝罪メールで知ることになります。

事前に誘いを受けて行ったならまだしも、筆者は自分で興味を持って勝手に見に行った単なる一人の観客です。それに後輩が話していた人がどういった人なのかも筆者は全く知りません。もしかすると、筆者よりずっと重要な人物だったかもしれない。しかもたった一言、会話を遮られそうになったから「今は話し中です」と伝えた、ただそれだけのことです。そんな程度で勝手にヘコんで後輩に気を遣わせている、筆者はかなり嫌な先輩かもしれませんね。

 

が、今はそんなことはどうでもいいのです。どんな理由であれ、自分が不快な思いをしたときにその思いとどう折り合いをつけるかということ、これがこの記事で最終的に出したい結論ですので。

なぜ折り合いをつけなければいけないかといえば、不快感の処理は適切に行わないとストレスになるからです。はけ口を全て自分に向けても、あるいは他人に向けても、それは適切な処理とは到底言えないでしょう。

 

先程の例に戻りましょう。とても慇懃に謝ってきてくれた後輩ですが、ここで筆者は「いいよいいよ、気にしないで。(後輩)は悪くないし」とは言わず、このように返信してみました。

(中略)

不快な思いをしたのは事実だけど、今回のはどちらかのせいにしてもどうしようもないことだと考えてるのね。

なぜならその原因が客観的に見てなんの非もないことだから。でもなんの非もないことでも人間は不快な感情を抱くことが往々にしてある(「虫が好かない」というのはそのいい例)わけで。それを相手のせいにしてしまえば不条理になってしまうし、自分のせいにすればそれはそれで息苦しくてたまらない。

 

だからそういうときはどちらのせいにもせず、単に時間的、空間的にしばらく距離を置くということに今のところしている。人間五感の外側にあることに関しては、時間とともに良くも悪くも急激に関心が失われていくことが最近よくわかってきたので。

この文章のとおり、今回この後輩のしたことは別に失礼に当たることではないはずです。ですがそのことで筆者が不快を覚えてしまったこともまた事実ですから、自分の気持ちに嘘をついて抑圧を引き起こすより、あえて本心を語ったほうがいいのではないか、と考えた結果の行動でした。「めんどくさい人だな……」とは思われたかもしれませんが、本音を偽るよりかはだいぶ自分の気持ちは楽だったかなと。

今回筆者のやったことは、「痛み分け」の考え方に近いものではないかなと思います。「俺も悪かったし、お前も悪かった。どっちのせいにしたって間違いになるから、水に流そうぜ」と言った具合です。「相性の問題」とも言えるかもしれません。「相手も自分も悪くない」といった状況のときにともすると自分のせいにしてしまいがちな人は、こういった考え方もあるとちょっと肩の荷が下りるのではないかな、と思うのですが……。

 

そんなところです。今日の内容は自分でも迷いがちな部分なので、皆さんの意見を聞かせてもらえるととても嬉しいです。